Monthly_delivery_HUCOS vol.9 今やっておきたいお庭のお手入れについて
暖冬だったとはいえ、寒い日が多かった今年の3月。ようやく春の暖かさを感じるようになり、もうすぐガーデニングが楽しい季節がやってきます。グリーンシーズンに気持ちよくお庭で過ごすためには、このタイミングでのお手入れが重要です。今回は、今の時期にやっておきたいお庭のお手入れについてご紹介します。
Monthly_delivery_HUCOS vol.9 今やっておきたいお庭のお手入れについて
庭木のお手入れについて
庭木の剪定と聞くと、素人では難しいかも?と思われるかもしれませんが、大木でないのであれば、年に1回のお手入れだけでも樹形をきれいに、そしてコンパクトに保つことができます。大切なのは、剪定のタイミングで、常緑樹と落葉樹によっておおまかに剪定時期は分けられます。
常緑樹(例:マツ、コニファー、オリーブ、キンモクセイなど)は冬を越えてから夏になるまでのちょうど今頃(4月頃)がおすすめです。新芽が芽吹く前に剪定することで樹形をバランスよく整えることができます。また、もう少し暑くなると害虫も動き出すため、その前に剪定しておくことによって、害虫予防にもなります。
いっぽう、落葉樹(例:ヤマボウシ、アオダモ、モミジ、ハナミズキなど)は休眠期である冬季(12~2月頃)に行います。葉が落ち枝の状態がわかりやすいですし、春や夏は樹木が成長する時期なので、剪定によって樹液が漏れ出てしまうこともあり、樹木がダメージを受ける可能性があります。
高木で作業に危険が伴うような場合や、自分で剪定するのは少し不安な時、あるいは、樹勢が少し弱まってきたなと感じるような時はプロに相談しましよう。
芝生の「更新作業」
一般的な高麗芝や野芝は、冬になると成長を止めて枯れたように見える暖地型芝生。冬の間は、お手入れもほとんど必要なく、芝刈り作業や水やり、肥料は不要です。夏にかけてまたきれいに生い茂らせるためには、芝生が成長しやすい状態に環境を整える “更新作業” がとても大切です。
更新作業では、まず刈る高さを低くして芝を刈ります。ポイントは刈る前に爪のあるレーキで芝生を起こすこと。低く刈り込むことで新芽に光が届きやすくなり、休眠から明けた後の芝生の成長促進に繋がります。低刈りで刈った葉と、芝の間に溜まったサッチを除去することもお忘れなく。サッチが詰まった状態のままだと土壌の通気性と排水性が悪くなり、また肥料や薬剤も浸透しにくくなります。
なお、適切な量のサッチは、芝を乾燥や暑さから守ってくれるので、芝生を張ってから1〜2年は行う必要はありませんが、定期的に除去を行いましょう。
冬の間に土壌が固くなってしまっているはずです。固いままだと空気を根に届けることができず、根の成長を妨げてしまいます。更新作業の際には芝生の地表に穴を開ける “エアレーション” も行うようにしましょう。
ここまでの作業を行った後は芝を保護するために全体に目土を入れ、デコボコがある場合は不陸調整を行いましょう。春先は日によって気温が下がることもあるので、目土を入れることで保温効果も期待できます。最後に芝生の芽吹きと成長のために肥料を与えます。このタイミングで与える肥料は持続性のある固形タイプをチョイス。肥料散布後には充分に水やりを行ってください。
芝生の管理は大変そうだな、という方にはイワダレソウはいかがでしょうか?グングンと育つグランドカバー向けの植物で、雑草対策にもなります。芝生の何倍もの速度で広がるほどよく増え、横へ広がり、草丈が伸びにくいのが特徴です。頻繁に刈込が必要な芝生と比べて、刈り込みの必要性がほぼないでの管理の手間もかかりません。ポット苗を植え付けて育てていきますが、植えてからすぐ広がる5~7月に植栽するのがおすすめです。
数株植えたものが約2ヶ月でこのくらいに広がります
おすすめの庭木
最後にHUCOSのおすすめの庭木をご紹介します。
新緑と紅葉の両方を楽しめるカエデ類はやはり人気です。そして、暑い夏は木陰も作ってくれます。シンボルツリーとして人気があるのが「ノムラモミジ」。紅葉の時期だけでなく、春先から赤い色をしていることで有名な種類です。ノムラモミジの名前の由来は、葉の濃い赤紫色から来ており、ノムラを漢字で書くと「濃紫」になります。現在は「野村もみじ」とも書かれていますが「濃紫」が「野村」に変化したようです。
落葉樹なのに冬になっても落葉しない木を知っていますか?新芽が伸びてくるまで枯葉を枝につけたままで、風で揺れる姿がなんともかわいらしい「ヤマコウバシ」。3〜5mくらいまで成長する中低木で、害虫に強く剪定や水やりなどの手入れも楽な育てやすい植物です。高級爪楊枝として使われるクロモジの仲間で、葉を揉むといい香りがし、「山香ばしい」が名前の由来です。独特なオレンジ色の紅葉がきれいですし、冬でも葉が「落ちない」ことから、受験生のお守りになっている縁起物でもあります。
「カツラ」もいい香りを楽しめる木です。ハート型のかわいらしい葉が黄葉すると、キャラメルや綿菓子のようなとても甘い香りがします。害虫に強くて丈夫で育てやすいので、シンボルツリーとしても適しています。ただ、環境条件によってはかなり大きく育つ(20m以上)ため、他の植物や周囲のお家の日当たりなどに影響しないか注意する必要があります。その点、株立のものは大きくなっても比較的管理しやすいのでおすすめです。