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マンスリーデリバリー

Monthly_delivery_HUCOS vol.18 「GX志向型住宅」って何? 

最近よく耳にする「GX」という言葉。GXとはGreen Transformation(グリーントランスフォーメーション)の略称で、化石エネルギー中心の産業構造・社会構造をクリーンエネルギー中心へ転換する取り組みです。住宅分野において2025年度に「GX志向型住宅」という区分が新設され、省エネ住宅推進のために拡充された補助制度についてご紹介します。


Monthly_delivery_HUCOS vol.18 「GX志向型住宅」って何? 

GX(グリーントランスフォーメーション)とは?


GX(グリーントランスフォーメーション)とは、温室効果ガスを生み出すとされる化石燃料から、太陽光発電や風力発電などのクリーンなエネルギーが中心の産業構造へ転換する取り組みです。近年は世界中で地球温暖化が進み、温室効果ガスの排出量の削減を喫緊の課題として各国で対策が進められている中、日本政府はGXを通じて次の3つの実現を目指しています。
・2030 年度の温室効果ガス 46%削減(2013年比)や 2050 年カーボンニュートラルの国際公約の達成
・安定的で安価なエネルギー供給につながるエネルギー需給構造の転換の実現
・産業構造・社会構造を変革し、将来世代を含む全ての国民が希望を持って暮らせる社会を実現
 ※参考:経済産業省「GX実現に向けた基本方針」


住宅分野でのGX


それでは住宅分野でのGXとはどうようなことでしょう?スバリ、「省エネに暮らせる家」を建てることといえます。国土交通省は省エネ住宅のさらなる普及のために、子育て世帯を対象とした2024年度の「子育てエコホーム支援事業」の後継として、2025年度の住宅補助金制度「子育てグリーン住宅支援事業」を創設しました。そこに今回新しく加わったのが、「GX志向型住宅」です。

2024年度「子育てエコホーム支援事業」

2025年度「子育てグリーン住宅支援事業」

ご覧のように、「長期優良住宅」への補助金が100万円から80万円に、「ZEH水準住宅」への補助金が80万円から40万円に引き下げられ(建て替えの場合は昨年と同様の補助額)、新しく「GX志向型住宅」への補助金160万円が新設されました。
予算規模は「子育てグリーン住宅支援事業」全体として2250億円を計上し、このうちの500億円はGX経済移行債を活用し、「GX志向型住宅」への支援に充てられることになっており、約3万戸への支援が予定されています。なお、「GX志向型住宅」はすべての世帯の新築住宅を対象にしていますので、子育て世帯(18歳未満の子がいる世帯)、若者夫婦世帯(夫婦のいずれかが39歳以下の世帯)でなくでも補助を受けることができます。

GX志向型住宅」の要件について


それでは「GX志向型住宅」に必要な3つの要件を確認しましょう。
① 断熱性能等級6以上
地域によって数値は異なるのですが、長野市は省エネ地域区分が「4地域」ですので、UA値0.34以下である必要があります。これは、民間団体による高断熱住宅の基準「HEAT20 G2グレード」とおおむね同等の断熱性能で、HUCOSが標準としている数値でもあります。

YKK APのウェブサイトより

② 再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率が35%以上
LED照明や高効率のエアコン、給湯器などを利用して、一次エネルギー消費量(冷暖房、給湯、照明、換気などの住宅で使うエネルギー消費量)を削減する必要があります。再生可能エネルギーを除いた、とありますので、太陽光で発電したエネルギーや蓄電池にためたエネルギーを使わずに、基準となる外皮性能、設備の種類及び仕様をもとに計算して算出される一次エネルギー消費量(基準一次エネルギー消費量)から、設計一次エネルギー消費量を35%以上削減することが求められます。

③ 再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率が100%以上
今度は、再生可能エネルギーを含むとあります。例えば35%削減された場合、残りの65%以上を太陽光発電システム等の設置によって再生可能エネルギーによってまかなうことが求められます。よって、基本的に太陽光発電システムの導入が必須となります。

HUCOSで「GX志向型住宅」を建てるには?


上の3つの要件のうち、① の「断熱性能等級6以上」、そして②の「再生可能エネルギーを除いた一次エネルギー消費量の削減率が35%以上」は新築住宅の標準の仕様でクリアしていますので、③の 「再生可能エネルギーを含む一次エネルギー消費量の削減率が100%以上」をクリアするために、一定以上の太陽光発電システム、そしてできれば蓄電池も加えることによって3つの要件を満たすことができます。

(その他の規定)
・対象となる住戸の床面積:50㎡以上~240㎡以下
・以下①~④の住宅は、原則対象外 
①「土砂災害特別警戒区域」に立地する住宅
②「災害危険区域(急傾斜地崩壊危険区域又は地すべり防止区域と重複する区域に限る)」に立地する住宅
③「立地適正化計画区域内の居住誘導区域外」かつ「災害レッドゾーン(災害危険区域、地すべり防止区域、土砂災害特別警戒区域、急傾斜地崩壊危険区域又は浸水被害防止区域)内」で建設されたもののうち、3戸以上の開発又は1戸若しくは2戸で規模1000㎡超の開発によるもので、市町村長の勧告に従わなかった旨の公表に係る住宅
④「市街化調整区域」かつ「土砂災害警戒区域又は浸水想定区域(洪水浸水想定区域又は高潮浸水想定区域における浸水想定高さ3m以上の区域に限る)」に該当する区域に立地する住宅

「この屋根、太陽光発電」


太陽光パネルは見え方によっては外観を損ねてしまう懸念もあります。そこで候補にあがるのが屋根一体型の太陽光パネルで何社かが提供しています。その中から洗練された雰囲気を持ち、国際的なデザイン賞「レッドドット・デザイン賞2024」を受賞した「Roof-1」をご紹介します。
他社の一体型パネルはそれとわかりますが、「Roof-1」は太陽光パネルと気づかないかもしれません。まだ当社での採用実績はありませんが、昨年神奈川県横須賀に見学に行った際の写真をご覧ください。

 

建物を道路から見る分には普通の屋根に見えます。屋根を上からみると(あまりないかと思いますが)、やっとパネルだと気づくような感じでした。雪対応モデル(300cm)もあり、また一般的な太陽光パネルのようにフレームがないため雪が滑りやすいこともあり、雪の自然落下により太陽光による発電時間の増加も期待できるとのこと。

「GX志向型住宅」のメリット


これまで見てきたように「GX志向型住宅」は、断熱性が高い住宅に、高効率の機器類と太陽光パネルを導入することによって、家庭でのエネルギー消費を大幅に抑えることができ、環境負荷を軽減できます。もちろんそれは家庭の光熱費の削減にもつながります。
さらに、できるだけ無垢の木など土に還るような自然素材を多く活用することによって、なによりも一番大切である「より健康的に暮らせる家」となります。

「GX志向型住宅」
名前はちょっと難しいですが、言い換えれば「地球にも、人にも、そして長い目で見るとお財布にも優しい家」といえます。

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