Monthly_delivery_HUCOS vol.6 給湯器の凍結対策と交換時期の目安は?
いよいよ長野の本格的な冬シーズンが始まりますね。毎年冬に多い住宅のトラブルといえば、給湯器の凍結や故障ではないでしょうか。毎日当たり前に使えるお湯が突然出なくなってしまうというのは、やはりとても困りますし、不便ですよね。本格的な冬の到来の前に給湯器の凍結対策のポイントや機器を入れ替えるタイミング、そして電気、ガス、灯油等熱源別のランニングコストなどをお伝えします。
Monthly_delivery_HUCOS vol.6 給湯器の凍結対策と交換時期の目安は?
まずはじめに家庭での給湯のエネルギー消費について
給湯によるエネルギー消費量は、家庭での消費量全体の1/4以上を占めており、暖房と並びエネルギー消費量のもっとも多い用途として挙げられます。使用エネルギーの種類は、おもに灯油、ガス、電気とありますが、長野県は寒冷地で、また都市ガスの普及率があまり高くないということもあり、全国平均と比較すると灯油を使用している世帯が多く(約半分)、また近年は高効率な電気ヒートポンプ式給湯器(エコキュート)の普及が進んできています。
経済産業省 エネルギー白書「家庭部門におけるエネルギー源別消費の推移」
家庭のエネルギー消費に関するアンケート結果の概要(長野県環境保全研究所)
給湯機器の凍結予防対策について
灯油、ガス、電気と熱源に違いはあれ、冬季の凍結予防対策はおおむね共通しています。なお、長野市内でも最低気温が−10℃前後になる日がシーズン中に数回ありますので、特に注意が必要です。
対策その① 凍結防止帯(ヒーター)の確認
凍結防止帯は、水道管の地上に出ている部分や浅い地中の部分 に巻いてあり、通電することによって管を暖めて凍結を防止するものです。また、エコキュートのヒートポンプユニット(室外機)に引き込まれている給水管にも巻いてあります。凍結防止帯(ヒーター)が必要のない時期にコンセントを抜くお宅もあるかと思いますが、気温が-4°C以下になるような 12 月から3月までの間は凍結しやすくなりますので、冬季間はコンセントを差し込むようにしましょう。人や物に引っかかったり、また積雪によって外れてしまうようなことがありますので、定期的に確認してください、またこの凍結防止帯にも当然寿命があります。設置後7〜8年を目安に専門業舎に点検してもらうことをおすすめします。
対策その② ふろ配管・循環ポンプの凍結対策(おふろの残り湯循環)
入浴後、おふろのお湯を残しておくと残り湯を循環して凍結防止運転を自動で行います。メーカーや機器によっては、事前に設定が必要な場合もありますので、取扱説明書でご確認ください。残り湯の目安は、浴槽循環口の中心から10cm以上です。
なお、蛇口やシャワーからおふろにお湯(水)を入れた場合は、凍結予防運転ができないこともありますので、ご注意ください。
対策その③ 特に寒さが厳しいときは通水による凍結予防
シーズンに一度あるかないかの大寒波の際には、やはり通水による凍結予防を行うとさらに安心です。こちらもメーカーや機種、あるいは混合栓のタイプによって方法は異なりますので、取扱説明書の確認が必要です。お湯を出す給湯栓であれば、おふろ以外の台所、洗面所でも大丈夫ですので、いずれか1ヶ所をあけてください。4〜5mmの糸引き状態にして1分間に200ml(コップ1杯)を目安として流し続けてください。
※この量でしたら、一晩(8時間程度)流し続けたとしても水道料金は20円くらいです。
もし凍結してしまったら・・・
・蛇口を開いても、お湯も水も出ない。
・水は出るけど、お湯の方が出ない。
・おふろのお湯はりができない。
・リモコンにエラー表示が出ている。
などは凍結による影響の可能性が高いです。対処方法としては、早朝に凍結しているということが多いと思いますので、日中の気温上昇による自然解凍を待つしかありません。気温上昇が見込まれないような場合やなかなか自然解凍がされない場合は、給湯器周辺の除雪をしたり、凍っていると思われる配管付近にぬるま湯をかけてみましょう。かける際は配管にタオルを巻き、ゆっくりかけ、その後配管・給水元栓のまわりについた水分を乾いた布でふき取ってください。
※熱湯はかけないように注意してください。水道管が破損、破裂する恐れがあります。また、あまりにも寒い場合は、タオルを巻いた箇所が凍結してしまうこともあるので、基本的には気温が上がるまで待つことをおすすめします。
<エコキュート(電気給湯器)の場合>
水栓のハンドルをお湯側にして、給湯栓を開き、解凍するまで待つ。
<灯油・ガスボイラーの場合>
1⃣運転スイッチを「切」にする。※「入」にしていると燃焼する場合があります。
2⃣水栓のハンドルをお湯側にして、給湯栓を開き、解凍するまで待つ。
そして、無事にお湯が出るようになった際には、機器や配管からの水漏れがないかなどをよく確認してください。
給湯器の耐用年数はどのくらい?不具合のサインは?
設置している場所や環境、また使用頻度等によって異なりますが、一般的に給湯器の寿命は10~15年と言われています。ただし、早い場合は7~8年で寿命を迎えるケースもあります。なお、各メーカーでも、標準的な使用条件の下で、支障なく使用することができる設計標準使用期間を定めており、家庭用給湯器は「10年」と設定されています。
もし不具合が出た場合、設置から5年程度であれば修理という選択肢になるかと思いますが、10年以上の給湯器は他の箇所の故障が発生することも考えられます。代表的な不具合のサインは以下のものがあげられます。
・リモコンにエラーコードが頻繁に表示されるようになる
・給湯温度が一定しない
・時々お湯にならない。お湯がでるまで時間がかかる
・お湯はりができるが、設定温度よりもぬるい
・給湯器の周りから水漏れしている
メーカーや専門業者による点検や修理にもその都度費用がかかりますし、また部品の保有期間も10年前後ということが多いので、給湯器の交換のベストなタイミングは、「設置してから10年以上経過し、何らかの不具合が起こったとき」だと言えそうです。
給湯器の熱源別の設置費用とランニングコスト目安は?
まずガス(エコジョーズ)、灯油(石油給湯器)、電気(エコキュート)と、現在主流の給湯器の設置費用についてみてみます。本体価格と設置費用の合計額で工事費込みの目安は以下となります(3-5人家族用)。
エコジョーズ30万円〜40万円程度 < 石油給湯器40〜50万円 < エコキュート50〜60万円
一方、年間のランニングコスト(4人家族の例)では順番が逆になり、
エコキュート約3万円 < 石油給湯器約5万円 < エコジョーズ(都市ガス)約6万円となります。
仮に15年間故障なく使い続けた場合のトータル費用は
エコキュート約100万円 < 石油給湯器約120万円 < エコジョーズ約125万円となります。
電気代やガス代、灯油代とそれぞれ燃料費の変動がありますので、一概には言えませんが、トータルの費用ではエコキュートが一番メリットが大きく、近年のHUCOSでの新築・リノベーション工事でもエコキュートを多く採用しています。
エコキュート導入の際のお得な補助金のお知らせ
最後にエコキュート導入の際に今利用できる長野県の補助金についてお伝えします。新築、リフォームに関わらずに利用が可能で、その名も「信州省エネ家電購入応援キャンペーン」といいます。文字通り長野県民向けの補助金なのですが、対象の省エネ家電を購入すると最大80,000円分のキャッシュレスポイントを受け取れるというものです。
対象品目は、エアコン、テレビ、冷蔵庫、LED照明器具とありますが、なかでもポイントが多いのが電気温水機器(エコキュート)です。HUCOSも地域協力店に登録しており、エコキュートのご購入および設置工事を承っておりますので、お気軽にお問い合わせください。