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マンスリーデリバリー

Monthly_delivery_HUCOS vol.7 冬の結露対策と室内環境を快適に保つ工夫

冬の住宅の悩みでよく聞かれるのが「結露」。さらに結露に次いで多い悩みは、やはり湿度に関係している「湿気」や「カビ」ではないでしょうか? 一方、冬はどうしても空気が乾燥しているので、エアコンなどの暖房によって、結露よりも「乾燥」の方が気になるという方も多いかもしれません。冬の室内環境を快適に保つ工夫や断熱・気密性能の高い家がなぜ快適なのかなどについてお伝えします。


Monthly_delivery_HUCOS vol.7 冬の結露対策と室内環境を快適に保つ工夫

「結露」という現象


結露とは、ご存じのように空気中の水蒸気が冷やされて水滴に変化する現象です。空気中の水蒸気量は、温度によって決まります。温度が低いと空気中に含むことができる水蒸気量は少なくなります。冬に窓に結露が発生するのは、室内の暖かい空気が、外気の影響で冷えた窓ガラスに触れることで、温度差によって結露が発生するためです。

例えば、20℃の空気は1㎥あたり約17.3gの水蒸気を含むことができますが、10℃の空気は1㎥あたり約9.5gの水蒸気しか含むことができません。そのため、20℃の空気が10℃に冷やされると、約7.8gの水蒸気が空気中に含むことができなくなり、水滴に変化するのです。

そしてなにより怖いのが、結露はカビやダニが発生原因となり、健康に悪影響を及ぼす可能性があることです。結露によって壁や床まで濡れるような状態になるとカビの温床となり、またダニの繁殖にもつながります。ご存じのようにカビは、アレルギーや喘息などの原因物質を生成するだけでなく、皮膚炎や気管支炎などの原因にもなりますので、本当に注意が必要です。

 

「結露」を軽減する工夫


結露対策の基本は「室内の湿気をできるだけ抑えること」、そして「窓の表面温度を下げないこと」の2つです。毎日の生活の中でも少しの手間と工夫でも結露の発生を軽減することができます。

①室内の換気をこまめに行う
お料理の時や食事中、また浴室や洗面所から出る余分な水蒸気は、換気扇を回したり窓を開けるなど、こまめに外に排出しましょう。換気扇の換気力をキープするには換気扇のお掃除もお忘れなく。
また寝室も結露が起きやすい場所です。人間は睡眠中に1時間当たり30~40gもの水蒸気を発生しています。例えば夫婦2人が眠る寝室であれば、1時間当たり60〜80gの水蒸気を排出している計算となり、8時間睡眠であれば、一晩で500〜600g前後の水蒸気が発生していることになります。対策としては、睡眠の際、寝室のドアを少し開けておき空気を循環させること、また朝起きた時に窓とドアを開けて空気を入れ替えるなど、寝室の湿度を下げるように心がけてください。

②空気を循環させる
窓の付近にサーキュレーターや扇風機を置いて、窓付近の空気を循環させることも結露軽減にとても効果的です。また暖房によって天井付近に停滞しがちな暖かい空気が部屋全体に行き渡り、温度のムラも解消することができるので一石二鳥です。

③窓を選んで「結露」を防ぐ
窓ガラスが1枚、2枚、3枚なのか、そして、窓枠はアルミサッシ、アルミ樹脂複合サッシ、樹脂サッシ、木製サッシなのかによって断熱性能が大きく異なります。断熱性能は「熱をどれくらい通すのか」について表した熱貫流率(U値)で表示され、単位はW/m2・K。数値が小さい窓ほど、断熱性能が高くなります。新築の場合は樹脂サッシもしくは木製サッシ+トリプルガラスを、窓交換をしない窓のリフォームの場合は、内窓を樹脂サッシ+ペアガラスにすることで、もちろん他の条件によりますが、窓の結露はほとんど抑えることができます。

YKK apのウェブサイトより

「結露」の発生と部屋の「乾燥」の関係


気温の低い冬季は空気中の水蒸気が少なく、外の空気は夏場よりも乾燥しています。そして実は室内の乾燥は、窓の結露とも関係しています。室内をエアコン等で暖めることによって、部屋の空気に含まれる水分が、冷えた窓に“結露”となって奪われてしまうからです。結露を防ぐことは、部屋の乾燥状態をやわらげることにもつながります。
結露しやすい「アルミ窓」(単板ガラス)と、結露しにくい「樹脂窓」(Low-E複層ガラス)で窓の違いによる室内の湿度変化を比較・測定した試験の結果が下のグラフです。測定開始後してから60分ほどで「アルミ窓」には結露が発生し、時間の経過とともに部屋の絶対湿度が下がり続けています。いっぽう、「樹脂窓」には結露が発生せず、部屋の絶対湿度も一般的にインフルエンザ予防の目安とされる11g/㎥に近い値が一定時間キープされることがわかりました。(YKK AP 調べ)


お肌の乾燥も「結露」と関係が・・・


空気が乾燥しがちな冬は、子供も大人も悩まされるのが肌や唇の乾燥。髪の毛もパサパサになります。実はこれら肌や髪の毛の乾燥も、「結露」と大きな関係があります。先ほどと同じように、結露しやすい「アルミ窓」(単板ガラス)と、結露しにくい「樹脂窓」(Low-E複層ガラス)で、部屋と肌の水分量を比較・測定した結果が下のグラフです。

「アルミ窓」の部屋では、結露が始まり部屋の水分量が低下しています(左図)。同様に「アルミ窓」の部屋では肌の水分量も大きく低下しました(右図)。いっぽう、「樹脂窓」の部屋では、部屋の水分量、そして肌の水分量がともに維持されているのがわかります。つまり断熱性の高い窓にすることによって「結露」を防ぐことができ、肌のうるおいに必要な部屋の湿度を保持することができるという結果になりました。(YKK AP 調べ)

「乾燥」をやわらげる工夫


「結露」を防ぐことが「乾燥」対策になることがわかりましたが、他にも次の方法が効果的です。
●洗濯物を部屋干しする
●観葉植物を置く
● 加湿器を使用する
● 加湿機能付きのエアコンを使用する

また肌感覚だけではなく、湿度計や加湿器の数値などを参考にして、快適ゾーンと言われる湿度40〜60%を目安にうまく調整することが大切です。

窓の結露よりも怖い「内部結露」


窓の結露はこれまで見てきたように窓の性能を上げたり、換気等を気を付けたりすることによって防ぐことはできますが、住宅にとって一番怖いのが、壁の中で起こる内部結露です。見えない間に進行するので対策が遅れやすい上に、断熱材や木材などを腐食させ、住宅の寿命を縮めてしまいます。また湿気によりカビやダニの発生原因にもなり健康被害にもつながります。この内部結露を防ぐにも窓と同様にしっかりとした断熱が重要です。かつ防湿施工と気密施工がきちんとされていることによって得られる、夏涼しく冬暖かい快適な室内環境は、住宅をより長持ちさせるという意味でもやはりとても大切です。


新築はもちろん、リノベーションにおいても気密、断熱施工をしっかりと行うことで人も建物も健康に!

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