Monthly_delivery_HUCOS vol.17 ナチュラルクリーニングでさっぱり大掃除
なにかとバタバタしがちな師走ですが、大掃除で一年の汚れをさっぱりと落として、新たな年を迎えたいものです。できれば、自然由来の成分を活用する「ナチュラルクリーニング」で! 自然環境やお肌にも優しい上に、手間がかからず、経済的でもあります。普段のお掃除にもぜひ取り入れてください。
Monthly_delivery_HUCOS vol.17 ナチュラルクリーニングでさっぱり大掃除
ナチュラルクリーニングとは?
家の中の汚れは、化学的に分類すると、酸性、アルカリ性、中性に分けられます。ナチュラルクリーニングとは、合成洗剤などを使わずに、自然界にある素材を利用して掃除をすること。自然素材の洗剤だと「洗浄力が少し劣るのでは?」と思われがちですが、酸性の汚れはアルカリ性で、反対にアルカリ性の汚れは酸性で、というように、洗剤の性質と汚れの性質をうまくかけ合わせて使えば、頑固な汚れも面白いように汚れを落とすことができます。
常備したい4つの基本アイテム
決まったアイテムだけで気軽にお掃除ができるのが、ナチュラルクリーニングのいいところ。掃除する場所ごとに洗剤を買い揃えなくてもいいので、洗剤の管理や掃除の手間が減り、暮らしをすっきりとさせてくれるはずです。汚れの種類ごとに用意するアイテムはこの4つです。
①酸性の汚れには「アルカリ性」のアイテムを2つ
キッチンの油汚れ、フライパンの焦げつき汚れ、そして、手垢などの皮脂汚れなど、家の中の汚れの8割以上は酸性と言われています。酸性の汚れを落とすアルカリ性のアイテムは「重曹」と「酸素系漂白剤」の2つ。重曹 よりも 酸素系漂白剤 の方がでアルカリ度が高くなるので、汚れの程度や掃除する場所によって使い分けることができます。
②アルカリ性の汚れに使うのは「酸性」のアイテムを
アルカリ性の汚れの代表的なものといえば水垢汚れです。 お風呂場やシンクの水垢、鏡の曇り、トイレの黄ばみ汚れなどに効果的なのが、「クエン酸」です。蛇口につく白い水垢は、水道水に含まれるカルシウムなどのミネラルが結晶化したものです。スポンジで擦るだけではなかなか落ちませんが、クエン酸を水に溶かしてスプレーし、少したってから擦るときれいに落ちます。汚れがひどい場合は、クエン酸水に浸したキッチンペーパーでパックし、30分程度置いておくと汚れが落ちやすくなります。
【お掃除用クエン酸水の作り方】
スプレーボトルに水200mlとクエン酸小さじ1/2(2.5g)を直接入れ、よく振り混ぜるだけでできるので簡単です。汚れに直接吹きかけるように使うことができます。容器の中で長い間放置していると、雑菌が繁殖しやすいので、使う分だけ作り、2~3週間で使い切るようにしましょう。また、粉末のクエン酸は湿気に弱く、固まりやすいので、密閉容器で保管してください。
③水拭きができない場所の掃除には「アルコール」を
家電やコンセントなど、水で洗い流せない場所の掃除には「アルコール」が便利です。アルコール(=エタノール)といえば、消毒薬のイメージが強いですが、実際には、除菌のほかに、油を溶解する力もあるので、ベトベトした油汚れにも効果的です。揮発性が高いので二度ぶきも不要で、カビの生えやすい場所にも便利に使えます。
【お掃除用アルコール水の作り方】
市販のアルコールには無水エタノール(濃度約99%)や手指等の消毒に使用する消毒用エタノール(濃度80%前後)などがありますが、お掃除用にはいずれも濃度を40%程度に薄めて使用します。無水エタノールの場合は、エタノール:水=2:3の割合で、消毒用エタノールの場合は、エタノール:水=1:1の割合です。消毒用エタノールの飲用不可のタイプが安価でおすすです。アルコール使用可のボトルに適量を作り、3ヶ月を目安に使い切るようにしましょう。
家電類に絞った大掃除はいかがでしょうか?
なにかと忙しくて時間が取れない年末。家中を掃除したいけど、どこから手をつけたら・・・という感じになってしまいます。1〜2日しか時間が取れない場合は、まずは普段の掃除ではなかなか手が回らない家電類に絞って大掃除はいかがでしょうか?
①レンジフード
レンジフードは大掃除の中でも時間がかかる場所の一つ。普段の料理の内容にもよりますが、3〜4ヶ月の一度くらいのペースで掃除したいところなので、大掃除の際にはぜひきれいにしましょう。レンジフードの汚れはもちろん油が原因。そこに空気中のほこりが混ざりこびりつき、汚れが取れにくくなってしまうのです。油汚れは酸性なので、アルカリ性の重曹が有効的なのですが、シロッコファンをはじめ、アルミニウム製の部品に重曹を使用すると、変色してしまう恐れがあるため、その場合は台所用洗剤を使う方が安心です。
50〜60度の高温のお湯を溜めて重曹(もしくは台所洗剤)を入れて、汚れがひどい場合は1〜2時間つけ置き洗いしましょう。つけ置きしてる間にフード本体や取り外せない部品の拭き掃除しましょう。重曹を使える場合は、スプレーボトルの中にぬるま湯を200mlと重曹大さじ1(15g)を入れ、よく溶かしてから使用すると効果的です。コンロ周りや壁もいっしょにきれいにしましょう。最後に水で固く絞ったきれいな雑巾で拭きあげましょう。
②冷蔵庫
普段掃除することのない場所といえば、冷蔵庫の上ではないでしょうか?べたついている場合は重曹水(水100mlに対し小さじ1(5g)の重曹)でに浸して絞った使い捨てのクロスで汚れを拭き取り、水拭きで仕上げましょう。冷蔵の裏側も普段掃除しない場所の一つ。冷蔵庫手前の足元にあるカバーをはずすと、調整ネジがついているタイプが多いので、その調整ネジを緩めると冷蔵庫を手前に動かすことができます。ほこりが溜まっている壁と床、排気口のお掃除もお忘れなく。
冷蔵庫の中も大掃除に機会にぜひすっきりさせたいですね。一段ずつ食品を取り出し、外せる部材は台所用洗剤で洗い、冷蔵庫の内部はアルコール水のスプレーで除菌も兼ねて拭き掃除をしましょう。
③洗濯機
洗剤と水で毎日洗い流しているから洗濯機はキレイだろう、と考える人も多いかもしれませんが、洗濯機内には衣類についていた汚れやホコリ、水アカ、洗剤のカスなどがどうしても溜まります。当然洗濯槽には湿気がこもりやすいので、カビの繁殖にも気をつけなければなりません。
洗濯槽の掃除には、洗濯槽クリーナーも市販されていますが、今回は酸素系漂白剤を使用します。過酸化ナトリウムを主な原料とした漂白剤で、塩素系よりも殺菌効果は劣るものの、衣類に与えるダメージが少なく、独特のニオイも弱いので、手軽に使用できることが利点です。強い発泡力があるので、こびりついた汚れやカビを剥がしながら落とすことができます。手順はこのように行ってください。
1. 洗濯機の満水の位置まで60℃のお湯を入れ、酸素系漂白剤入れる(10ℓに対し100gが目安)。
2. 2〜3分間洗濯機を回す→浮いてきた汚れを網などですくう。これを汚れが出なくなるまで繰り返す。
3. 汚れが浮かなくなったら4〜5時間放置。
4. 再度洗濯機を3分ほど回し、浮いてきた汚れをすくう。
5. 高水位で、すすぎ・脱水を行う。汚れが出てきた場合はもう一度行う。
このように手間と時間がかかりますが、浮いてきたカビや茶色いカスを途中で取り除きながら行うので、汚れ落ちを実感することができます。洗濯中にフタが開けられないドラム式タイプや二層式タイプでは使用できない場合もあるので、使用前に洗濯機の取扱説明書をよく確認してください。
④風呂釜
風呂釜も洗濯槽と同じ要領でできますので、同じタイミングできれいにしましょう。
1. 浴槽の循環口の少し上まで水を張り、酸素系漂白剤入れる(同じく10ℓに対し100gが目安)。
2. 追い焚きボタンを押して水(お湯)を循環させる。そのまま3時間ほど放置。
3. もう一度追い焚きをしてから一度排水する。
4. もう一度水を循環口の少し上まで水をため、再度追い焚きをして流す。
一番最初に水を張る際に、風呂桶や椅子など小物もいっしょに入れるとついでにきれいにできるのでおすすめです。
⑤照明器具・間接照明
掃除は高い場所から低い場所へ、奥から手前が基本です。照明器具の汚れは気づきにくいですが、半年に一度くらいはすっきりと掃除したいものです。特に間接照明は器具が隠れているので普段目に入らないため、ついつい日常のお手入れを忘れがち。吹き抜けなど高い場所に設置されていることが多いので、空気の対流で舞い上がったほこりの溜まり場に・・・なんてことも。光源にほこりが付くと明るさが鈍くなるので、大掃除ですっきりさせましょう。照明器具や電源のユニットは、火災になるほど高温ではありませんが熱を持ちます。ほこりが溜まった状態が安全とはいえませんのでロングタイプのハンディモップなどでほこりを絡め取りましょう。
なお、LED照明は、白熱灯のように突然切れたり、蛍光灯のように点滅で交換を促したりすることはありません。基本的にLEDの定格寿命は「40,000時間」と表記されています。計算上では「1日10時間点灯で約10年間」、「24時間365日つけっぱなしで約4年半」使えることになります。定格寿命とは「明るさが70%くらいになる時間」のこと。「最近少し暗いかな?」あるいは、「点灯しているけど、なんだかいつもと様子が違う・・・」 といった変化と感じたら、それが交換の目安です。通常夜間のみ使用するとして、10年を交換の目安としてください。電球タイプのものは自分で交換可能ですが、照明器具にLEDが組み込まれている一体型のものは器具ごとの交換となります。
⑥電気ケトル、加湿器
電気ケトルや加湿器など、水を使う家電の水垢落としにはクエン酸が活躍します。電気ケトルを水で満タンにし、クエン酸小さじ1(5g)を入れて沸騰させます。沸騰後は1時間放置してから、水ですすいで汚れや残ったクエン酸を洗い流しましょう。再度沸騰させればより安心です。加湿器に付いた水垢も、クエン酸水のスプレーで拭き取りましょう。落ちにくい場合は、パーツごとにクエン酸水につけ置き洗いすると効果的です。
※機器によってはクエン酸を使えない場合もあるので、事前に取扱説明書を確認してください。
まだまだ掃除したい場所はあるけれど・・・
もちろん他にもトイレや家全体の窓拭き、排水口などなど、気になるところはありますよね? でもあまり欲張らないで、今回は家電類のお掃除を中心にナチュラルクリーニングの方法をお伝えしました。今回ご紹介した「重曹」「酸素系漂白剤」「クエン酸」「アルコール」をうまく活用して日々のお掃除にもぜひ役立ててください。