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マンスリーデリバリー

Monthly_delivery_HUCOS vol.10 シロアリと木材の腐朽菌対策の重要性

木造住宅における 「シロアリ」 の被害や木材の腐朽は住まいが受けるダメージとしてとても深刻です。シロアリの名前はよく聞きますが、シロアリの姿を判別できる人は少ないのではないでしょうか? そして木を腐らせてしまう 「腐朽菌」 にも注意が必要です。 家を長持ちさせるためにとても重要なシロアリと木材腐朽菌対策についてお伝えします。


Monthly_delivery_HUCOS vol.10 シロアリと木材の腐朽菌対策の重要性

築140年を越えたHUCOSリノベモデルハウス

木の家はシロアリが心配?


シロアリはご存知のように住宅に甚大な被害をもたらす害虫です。HUCOSではリノベーション工事も多く携わらせていただいておりますが、工事の際に床を解体すると、シロアリの被害にあっている家も一定数あります。家の土台の一部分だけの場合もあれば、天井近くまで蟻道を確認できる場合もあり、被害が進むと家の強度を保つ構造自体にも影響しかねません。
一方、シロアリや腐朽菌、もちろんそれ以外のことも含めてしっかりメンテナンスを行い、愛着を持って住まい続ければ、木造住宅は100年を越えても快適に住み続けることができます。

   

シロアリとは?


日本には20種類以上のシロアリがいると言われています。木材を主食とする昆虫で、主に土壌や地下、住宅内の木材や湿った場所に生息しています。屋外などで見るクロアリと姿は似ていますが、実は全くの別物で、クロアリはハチの仲間であるのに対して、シロアリはゴキブリの仲間です。ではなぜシロアリは「アリ」と名付けられたのでしょうか。成虫の大きさや形状が似ているということと、アリと同様に女王と王を中心に数万から100万という大きな集団を形成して社会生活を行う形態が似ているためだと言われています。
日本で厄介な被害をもたらす種類として代表的なものは「ヤマトシロアリ」、「イエシロアリ」、「アメリカカンザイシロアリ」です。その中でも長野県に主に生息しているのはヤマトシロアリです。イエシロアリは関東以西の比較的暖かい地域に、そしてアメリカカンザイシロアリは、外来種で輸入建材や輸入家具などの木工品に潜み、他のエリアに広がっていったといわれています。(写真:日本ボレイト株式会社のウェブサイトより)

    

シロアリは発見できる? 羽アリの群飛に注意!


シロアリは基本的には1年中産卵し、また冬季も含め1年中活動していますが、春から夏にかけてはシロアリ防除するための適期です。理由は、4月から5月のこの時期に、繁殖のための新たな巣を求めて一斉に飛び立つ現象「群飛」が見られるからです。ヤマトシロアリの羽アリは、これからの季節、特に雨の日の翌日、晴れた日のお昼前あたりから飛ぶことが多く、室内入ってくることもあるので、シロアリ発見の要注意の時期です。
なお、通常シロアリが人の目に触れるのはこの羽アリときだけと言われています。シロアリ被害のある家屋では浴室や洗面所、玄関などから大量に発生します。羽アリは数十から多いと数百頭も短時間で一気に発生します。そのため、その数の多さから羽アリが出切ったらシロアリがいなくなったと誤解しがちですが、羽アリは一つのコロニー(巣)のわずか数%に過ぎませんので、まだ家の中に残っている可能性が非常に高いといえます。(写真:日本ボレイト株式会社のウェブサイトより)

また、シロアリの飛行能力は高くなく、10m〜30m程度のようですが、飛行を終えた羽アリはすぐにその場で翅を落とす習性があります。ここで注意が必要なのが、羽アリのシロアリの体色はクロアリ同様に黒いので、この状態で見分けるには少しだけ知識が必要です。見分けるポイントは以下の3つです。
①シロアリは寸胴(クロアリには胴体にくびれあり)
②首周りに明るい黄色いマフラー
③触角が数珠状(クロアリはくの字型)
(写真:白蟻専科のウェブサイトより)

 

シロアリの被害を見つけたら・・・


シロアリは紫外線と乾燥に弱いため、蟻道という土と自らの唾液で作ったトンネルの中を移動します。多湿なところを好むので、キッチンやお風呂場などの水回りに被害が多く見られます。つまり給排水設備の水漏れをそのまま放置するとシロアリの被害の大きな誘因となってしまいます。定期的に水まわり部分の床下を点検し蟻道や木材の変化の有無をチェックするようにしましょう。気を付ける場所は水まわりだけではありません。玄関まわり、ウッドデッキある窓の周辺もよく確認してください。もし、これはシロアリの被害かな?という怪しい場所があれば、専門業者に点検を依頼することをおすすめします。


シロアリ被害の予防方法

シロアリが好む湿気の高い状況を床下に作らないことが一番重要です。さきほども指摘した水漏れや雨漏りは早めに行い、被害が出ていないか確認するようにしましょう。またシロアリの餌となる木材を家の周辺に放置しないことも大切です。特に土と木材が触れていると、木材が水分を含み、シロアリの好きな環境になってしまうので、一時的に保管するような場合もなにか台座のようなものを利用するなど工夫してください。シロアリが好むのは木材だけではありません。シロアリは木材の主要成分であるセルロースを栄養源としていますが、そのセルロースを含む新聞紙や本、ダンボール、畳など、つまり木を原材料としているものはエサになるので、放置しないなど注意してください。

 

木を腐らせてしまう 「腐朽菌」とは


木材腐朽菌と聞くと、とてもおそろしいイメージを持ちますが、言い換えると、 木を媒介にして成長するキノコのことです。木材腐朽菌の発生には、次の4つの発生条件がそろう必要があります。逆に一つでも条件を欠くと、木材腐朽菌は発生しません。
○栄養 「木が腐る」と菌(腐朽菌)が木材の成分を分解して養分になります。
○温度 木材腐朽菌は、30℃前後が最も発育に適していて、3℃以下の寒い環境では発生しにくくなります。
○水分 大気中の湿気が多く木材の含水率が20%以上になると発生しやすくなります
○空気 腐朽菌は空気がないところでは発生しません。水に浸かった木材が腐朽しないのはこのためです。

木材腐朽菌が発生しやすい場所


腐朽菌が繁殖するには適度な水分が必要なため、通気や換気がしにくい床下や、キッチンや浴室といった水回りなど湿度が高い場所の木材が発生しやすい場所となります。また、雨漏りの起きやすい屋根裏や結露しやすい場所の周辺にある木材は湿気を多く含んでいる可能性が高く、腐朽菌が発生しやすい環境であるといえます。

木材腐朽菌の被害を予防するには


シロアリの被害と同様ですが、木材が腐朽してしまうと建物の強度が著しく低下してしまいます。木材腐朽菌による被害を防ぐためには、木材を乾燥した状態に保つことが一番重要です。雨漏りや水漏れの形跡がないか、また長年の結露によって知らず知らずのうちに木材が水分を多く含んでいないか、など普段から確認するようにしてください。床下や屋根裏は普段は目にすることがない場所ですし、また湿気を多く含みやすい密閉された空間です。よく晴れた日などに時々状態を確認し、換気を行うなどし湿気が多くならないようにすることが重要です。

シロアリと木材腐朽菌の関係


これまで見てきたように、シロアリと腐朽菌の発生条件は共通するところが非常に多いので、シロアリによる被害と木材腐朽菌による被害が同時進行しているというケースは少なくありません。木材腐朽菌が発生しないように、対策を行うということは、シロアリ被害の予防にもつながります。

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