Monthly_delivery_HUCOS vol.35 エアコン2027年問題? 購入のタイミングは?
年々、夏が来るのが早くなり、厳しい猛暑が当たり前になってきました。今やエアコンは生活に欠かせない存在ですが、実は今後のエアコン選びを左右する「エアコンの2027年問題」が迫っています。知らずにいると、「いざ買い替える時に手頃なエアコンがない…」と困るかもしれません。今回はこの問題と直前になって慌てないために、今からできる上手な備え方を解説します。
Monthly_delivery_HUCOS vol.35 エアコン2027年問題? 購入のタイミングは?

長野の夏もここ数年エアコンの稼働日数が増えてきました
「エアコン2027年問題」とは?
「2027年から安いエアコンが買えなくなる?」
「今のうちに買い替えないと損かな?」
「基準を満たさないエアコンは販売禁止になっちゃう?」
このような情報を見かける機会が増えてきました。
そもそも「エアコン2027年問題」とは一言で言うと、「2027年4月から国の省エネ基準が大幅に厳しくなり、これまでの低価格帯モデルのエアコンが市場から消える可能性がある」という問題です。背景には、地球温暖化対策(冷媒ガスの規制や温室効果ガス削減)があります。環境にとっては良いことなのですが、私たち消費者のお財布にとっては大きな打撃となります。
ここで誤解しやすいポイントがあるのですが、「2027年以降、すべての機種が省エネ基準100%を達成しないと販売禁止になる」という意味ではなく、正しくは、「メーカー全体の出荷平均で、省エネ基準100%の達成を求める制度」ということです。つまり、基準に達していないエアコンはすぐ販売禁止、という単純な制度ではありませんが、メーカーとしては省エネ基準を達成するために、省エネ性能の低い低価格帯モデルを減らしたり、販売終了にしたり、後継機種へ切り替えたりする可能性があります。
手頃なお値段のエアコンが買えなくなる?
消費者にとって一番大きい影響は、「低価格帯のエアコンが、今後販売中止になる可能性が高い」という点です。特に、子ども部屋や寝室、来客時にしか使わない部屋などでは、これまで比較的安価なスタンダードモデルを選ぶことが多かったと思います。しかし、2027年度以降にメーカー各社が低価格帯モデルの販売を縮小した場合、これまでより本体価格が高いモデルを選ばざるを得なくなり、「そこまで高性能な機能はいらないのに、本体価格が上がってしまう」という悩みが出てくる可能性が高くなります。
今のうちに買い替え?それともまだ使える? エアコンの耐用年数について
エアコンの標準使用年数は多くのメーカーは10年としています。また部品の保有期間は製造打ち切り後にこちらも約10年としているメーカーが多いので、そのメーカーの部品保有期間内であれば、エアコンを修理して使うことが可能ともいえます。なお、内閣府が発表した2024年の「消費動向調査」によると、2人以上の世帯のエアコン平均使用年数は14.1年です。また、エアコンを買い替えた人の約7割が、故障を買い替え理由に挙げています。同じ調査によると、冷蔵庫の平均使用年数も同じくらいで14.0年、洗濯機は10.9年、テレビは10.7年となっており、エアコンは家電の中でも比較的長い期間使用されていることがわかります。(内閣府消費動向調査、令和6年3月実施調査結果より)
エアコン本体の下部に「製造年」と「設計上の標準使用期間」のシールが貼ってありますので、確認してみましょう。
もう寿命かも・・・ こんな症状は出ていませんか?
購入から10年くらい経つと不具合が発生してくることが増えるかもしれません。エアコンの故障、買い替えのタイミングを判断するには、いくつかのサインがあるので、気をつけてみてください。エアコンが全く動かないなどのわかりやすい不具合以外にも、故障が疑われる症状には、主に以下のようなものがあります。
1. 以前よりも冷えにくく(暖まりにくく)なった・・・
汚れが原因で冷えや暖まりの効果を感じにくくなる場合もありますが、掃除をしても改善しない場合はエアコン内部にある冷媒ガスが漏れて不足していることが考えられます。ガスを補充すればエアコンの性能を一時的に回復できますが、長期間使用しているエアコンは、室内機と室外機を循環する冷媒ガスが配管や部品の劣化により漏れている可能性が高く、劣化している部分を修理しても、他の部分がまた劣化することも多く、修理費用がかさむことを考えれば買い替えの一つのタイミングとも言えます。
2. 室外機から異音をする・・・
実は室内機よりも、より負荷がかかりやすい室外機の方が故障しやすい傾向にあります。室外機には冷媒ガスを圧縮するためのコンプレッサーが内蔵されていますが、コンプレッサーが圧力をかける際に、ガラガラというような音が発生すると、機器の寿命が近づいている可能性高く、買い替えを検討する時期がきているのかもしれません。
3. エアコンから嫌な臭いがする・・・
臭いの原因は主にカビと考えられます。室内機は部屋の空気を吸い込みますが、その際にほこりや汚れもいっしょに吸い込みます。そして、エアコンの内部で生じる結露とそれらが結合すると、カビが発生してしまうのです。フィルターの掃除等で改善できる場合もありますが、掃除してもまだ臭うのであれば、エアコン内部のファンや熱交換器までがカビで浸食されている可能性が高く、完全に臭いを取り切ることができないようであれば、エアコンの寿命かもしれません。
今のうちに最安モデルエアコンの購入を考えた方がいい人は?
「エアコンの2027年問題」、さて今のうちにお手頃価格のモデルを買うべきかどうかはどう判断すればいいでしょうか。次のような方は、早めに確認しておくことをおすすめします。
・設置から10年以上経っている方
・近い将来、子ども部屋に設置予定の方
・とにかく初期費用を抑えて交換したい方
・冷房メインで使用している方
・お掃除機能やAI運転などの高機能エアコンは不要な方
特に寝室や子ども部屋など、比較的使用時間が短く、冷房メインで使用するお部屋は、高性能な上位機種までは必要のないケースもありますので、低価格帯のスタンダードモデルの購入を検討している場合は、早めに動きだしたほうが安心です。
逆に急がなくてもいい人は?
ここまで読んでくると「早く買い替えなきゃ!」と不安になる方もいるかもしれませんが、逆に以下にあてはまる場合は、急がなくても大丈夫です。
・購入から5年以内くらいの方
・電気代重視で、省エネ性能の高い機種を選びたい方
・LDKなど、毎日長時間エアコンを使う方
・最新のAI機能や換気機能にもこだわりたい方
特に日中も在宅時間が多く、LDKなどで長時間エアコンを使用する場合は、本体価格の安さだけで選んでしまうと、結果的に電気代が高くなってしまうことがありますので、省エネ性能の高いモデルを選択した方が、長い目で見るとお得になります。
新基準エアコンは単に高価なだけではない?今やるべきことは。
エアコンが高価になることは、昨今の物価高と相まって消費者にはとても痛手ではありますが、新基準エアコンにも大きなメリットがあります。それは電気代(ランニングコスト)の安さです。初期費用はこれまでよりも上がってしまいますが、「本体代の差額は、10年ほど使えば電気代の削減分で元が取れる」という試算も出ているような機種もあるため、一概に損とは言えません。
もし、ご自宅のエアコンが「購入から10年前後」経過しているようでしたら、次のステップで早めの行動をおすすめします。
1. 自宅のエアコンの年式をチェックする(10年超えかどうか?)
2. 早めに買い替えの検討を進める
3. 工事が混み合わない時期に設置する(10〜11月がおすすめ)
「まだ動くから大丈夫!」と先延ばしにしていると、数年後に「高価な最新機種しか選べない・・・」と少し後悔することになるかもしれません。毎年のように厳しくなってきているこの猛暑。より快適に、そして家計への負担を最小限に乗り切るために、ぜひお早めの情報収集を始めてみてください。