夏の家
8月になり、まだまだ暑い日が続いてますが、いかがお過ごしですか?
中野の現場は風が吹いていることが多く、朝夕の日陰は涼しくなってきました。
「家の作りやうは、夏をむねとすべし」これは徒然草の中にある言葉ですが、それは冷房のない時代の話で、冷暖房がある現代では、エネルギーのことを考えると「冬をむねとすべし」となります。
想像しやすく説明すると、夏も冬も25℃を目指すと外気35℃の夏では−10℃ですが、外気0℃の冬では+25℃となります。この差が多いほど多くのエネルギーを使うことになり、夏より冬の方が空調エネルギーを使うのです。
さらに、高気密・高断熱にすることでエネルギー効率が良くなるという話は当たり前なので今回しませんが・・・
今回は、夏の家の話です。
先日、友人の結婚式で軽井沢へ訪れた時に、静岡と島根から来た大学の友人と町内を散策しました。せっかく軽井沢に来たのだから軽井沢で最初に建てられた別荘を観に行こうという話になり、旧軽銀座の奥にある「ショーハウス記念館」に行きました。
そこは、木とガラスだけでつくられていて周囲の自然ととても近い関係だと感じました。単板のガラスが入った木製の窓の外からは、鳥のさえずりが聞こえ、川のせせらぎや風の音もかすかに聞こえ、建物の中なのに枝の張った木の木陰に入っただけのような心地良い感覚になりました。
以前の軽井沢は、冬は水道が凍ってしまうので冬に別荘を使うことはほとんどなく、断熱のことを全く考えない、夏のことだけ考えた家が多くありました。軽井沢タリアセン内にあるアントニン・レーモンド設計の「軽井沢・夏の家」なども素敵な夏の家です。
「夏の家」は、冬を考えないことで、夏だけの最適な環境をつくる家だと言えます。一年中快適な家では体感できない感覚があり、そこが暑い夏に涼しい軽井沢の別荘で過ごす贅沢さだと感じました。
因みに、今年の夏のおすすめお出かけスポットは、軽井沢ももちろんですが、越後妻有の「大地の芸術祭」です!3年に1度開催される世界最大規模の芸術祭です。作品数がかなりあるので、パスポート購入して、毎週行くのがおすすめです!
中澤 政文