これからの住まい
去年のゴールデンウィークには、パルセイロの試合を見に行ったり、水族館行ったりしましたが、今年は全く違う年になり、自粛っていつまで続くのかな~っと窓の外を眺める日が多いですが、皆さんはどんな生活を送ってますでしょうか?
今回は、新型コロナウイルスによって生活や仕事など様々な事が変化してきましたが、これからの住まいってどう変わっていくのか少し考えてみました。
実は皆さんはあまり実感してないかと思いますが、建築は世の中のできごとや工業・医療の進歩とともに変化し、新たにつくられる建物やなくなるたてものも多くあります。
例えば、建築の用途でいうと、サナトリウムや炭鉱住宅などがあります
・サナトリウムは映画「風立ちぬ」にも出てきますが、主に結核などの長期的な療養を必要とする人のための療養所です。日当たりや新鮮な空気などを重点に計画され、建設地も環境の良い所が多いです。しかし、結核のためだけのサナトリウムは治療法の変化とともになくなっています。
・炭鉱住宅は炭鉱会社が福利厚生の為に建てたものですが、1960年代以降のエネルギー革命による石炭産業の衰退とともになくなっていきました。
なくなったものではありますが、今ではたくさんある鉄筋コンクリート造の高層アパートの日本最初期に建てられたのは軍艦島で、日本全国のテレビ普及率が10%だった1950年代に軍艦島では100%だったように、経済活動の顕著な場所として、時代の先端にいたのかもしれません。
この2つの例のように世の中のできごとによって生まれ、なくなっていった用途もありますし、震災によって、建築基準法が改正され建物の構造の最低基準が上がることや、構造計算の偽造事件により新しい法律が制定されることなど、建築業界は、世の中のできごとによって少しずつ変わってきています。
さて、新型コロナウイルスは現在進行中のことではありますが、住宅も今までとこれからでは変化していくと思います。
今後、起きるであろう地震に備える為に構造耐力を上げるように、今回のような感染病や今回以上の感染病に備えて設備や平面計画を考えることも必要かもしれません。
ここでは、極端ですが感染症の防止策で建築的にできることを考えてみました。
・一つの空調機(エアコン等)で作った暖気・冷気を全館に回す空調設備から、冷水・温水を家中に廻しパネルヒーターによって空調する方法に変更する。
←これは、エアロゾル等飛沫感染、空気感染防止になるかと思います。
・一部屋を隔離できるような設備にする。
←例えば2階のトイレ横の洋室は吸気口と排気口の両方つけ、さらにその部屋自体陰圧にすることで、家の中に簡易隔離部屋を作る考えです。
・2世帯住宅をつくる際、完全分離にできるようにする。
←これは単純に今みたいな状況になった時には濃厚接触者を増やさないためには有効だと思います。
・テレワークをするための場所、自粛生活の為にストレスを溜めないような空間づくり。
←今までの家は、当然ですが昼間(就業時間)職場で働いて、朝・晩・休日の一部を家で過ごすことを前提につくっているので、ストレスが溜まりやすいかもしれません。
上記のことは、これから長野市で新築を建てようと考える人にとっては簡単にできる事なので、すこし参考にしてもらえばと思います。
これからの住まいづくりは、考えることがたくさんあるかと思いますが、設計から施工まで行う工務店だからこそできる提案をできたらいいなと思います。
長々とすみません。自宅でテレワーク中、いろいろ考えてしまいました。
中澤 政文