受け継ぐ
住まい方。
実家を直して 住むことに。
夫の実家を改装して暮らしています。義父の代から自転車販売や自動車整備を商っていて、夫が跡を継いでからも父子ふたりで店に立っています。
1階が店舗、2階が住居のこの家に、夫は小学生の頃から住んでいますが、改装して数年経つ今となっては昔の家の記憶はほとんどなく、覚えているのは玄関を使わずに店から出入りしていたこと、2階へ上がる階段が急だったことくらい。外観は、ほぼ以前のままですが、内観は間取りも含めて大きく変わりました。
この家のすぐとなりに小さな平屋建てがあり、結婚後はそこを新居にしましたが、娘がふたり生まれると手狭になってきました。どこかに家を建てようかと考えていたら、義両親が「ここに住めば」と提案してくれたのです。
娘の友だちの家を見学して「頼むならここだ」とHUCOSさんを紹介してもらい、義両親と住居を交換するのを機に、2階の全面改装と、1階店舗の一部改修を行いました。
夫がそうであったように、娘にとっても帰れば親がいるのがあたりまえの暮らし。親子3代で「ただいま」「おかえり」と言い合えるのは幸せなことです。
過去の気配を 残しながら。
6畳の和室2室とベランダだった空間は、広々としたリビング・ダイニングになりました。そして、かつての廊下は床下収納を兼ねた小上がりになりました。
みんなが集うリビングは、新たに家族に加わった愛犬ぶんたの居場所でもあります。残った柱2本に実家の面影が残っています。
小上がり部分の天井を下げて空間に変化をつけるとともに、居室全体を照らす間接照明を設置した。
工夫の空間。
洗面所は、朝は家族4人で混み合うので、行き止まりにせず、廊下を含めた回遊空間にしました。三面鏡やカラン、理科室みたいなシンクは、私の希望で取り付けたもの。
階段は、限られた空間でいかに緩やかにするか、HUCOSさんが頭を悩ませて、踊り場を設けながら全長をのばすことで段差を低くすることを実現してくれました。
⚫︎黒板と机のある、ゆとりの空間。
⚫︎玄関の土間は洗い出し仕上げに。
⚫︎ 階段の仕切り壁は上をふさがず抜け感を出し、窓下のわずかな出っ張りは飾り棚に。
家族と愛犬と 過ごす時間。
キッチンには私の要望が詰め込まれ、理想どおりの空間になりました。白いタイルは馬目地貼りでクラシックな雰囲気に。居間との仕切り壁には黒枠の窓をつけてカフェ風に。コンクリートのような見た目のフロアタイルに。シンクはステンレスのすっきりとしたデザインに。
娘がキッチンに立つことが増えたのが、うれしい誤算でした。
⚫︎母娘で立つキッチン。
⚫︎ 柱時計は義祖父が、和箪笥は私の祖母が使っていたもの。
⚫︎家族写真が飾られた一角。
⚫︎ぶんたもリビングで一緒に過ごす。床にはぶんたのひっかいた跡が残る。
⚫︎抜けなかった柱2本のみを残し、廊下はテレビ台を兼ねた小上がりになった。
⚫︎洗面台は細いタイルを芋目地ですっきりと。
⚫︎ステンレスは傷が目立つと言われたが気にならないから大丈夫。
⚫︎床はナラの無垢板。
⚫︎ひと目惚れした桜材をテーブルに。
もともと夫の実家の建物で、1階が自転車販売と自動車整備などを商う店舗、2階が家族の住居でした。結婚後に住んでいた家が、娘ふたりの成長とともに手狭になってきて、義両親からの提案を受けて住居を交換することに。それを機に2階を全面リノベーションしました。
以前の家が夏は暑く、冬は寒かったので、なにより快適に過ごせるようにと考えました。私からの要望はキッチンにさまざまに取り入れたほか、絶対に欲しかったクローゼットは夫婦の寝室に設けました。夫からの要望はほぼなかったものの、住居と合わせて改装した店の一部が自室代わりになっています。
娘ふたりが大きくなって、朝の洗面所は大渋滞。でも回遊式にしてもらったおかげでとても使いやすいです。それからコンセントは余計につけておくべきでした。サーキュレーターなど、置きたい家電は増えますから。犬を飼いだして、まさか床をひっかいてしまうとは。無垢板は濡れるといい匂いがするようです。
子ども部屋は2つに分けられるようにしましたが、娘ふたりだからこのままでいいかなと思っています。ただし娘からエアコンはつけてと言われています。あとは大きいテレビが欲しい、今思うのはそれくらいです。
竣 工 | 2016年1月 |
---|---|
築年数 | 築32年(2020年時) |
家族構成 | 夫婦+子ども2人 |
延床面積 | 91.92㎡(27.75坪) |
---|---|
リノベ面積 | 91.92㎡(27.75坪) |
設計・施工 | HUCOS 協同建設株式会社 |